すい臓がんの緩和医療

がんの「緩和医療(緩和ケア)」とは、患者さんの心身の苦痛を少しでも和らげ、「QOL(生活の質)」を維持しながら、自分らしく過ごせるようにするための治療の総称です。

一般的に緩和ケアというと、モルヒネを始めとする「痛み止め」のイメージが大きいかもしれませんが、実際にはそれだけではなく、症状に応じたさまざまな治療法が含まれます。

たとえば、死を目前にした患者さんに対する精神的なケアも、重要な緩和ケアの1つです。

特にがんの中でも予後の悪さで知られるすい臓がんでは、緩和ケアが非常に重要な位置を占めます。すい臓がんの緩和医療では、実際にどのような治療が行なわれているのかについて具体的にご紹介していきます。

がんの緩和ケアは、すべての患者さんと家族が受けられる!

緩和ケアというと、末期がんの患者さんが受けるものというイメージがありますが、最近では「がんの診断を受けたその時から、すべての患者さんが治療の対象になる」という考え方が広まっています。

がんは命を落とすリスクがありますし、一般的に治療が長引きやすいため、他の多くの病気と比べても、患者さんが心身ともにつらい思いをしやすい病気だといえます。

このようなつらさを少しでも和らげるための医療が、緩和医療です。患者さんがなるべくつらさを感じることなく、前向きに病気と向き合っていくための治療といえるでしょう。

また患者さん本人のみならず、それを支える家族も緩和ケアの対象となります。

がん診療連携拠点病院には、家族も利用できる「緩和ケア外来」が設けられていますので、看病に疲れたり悩んだりしている患者さんの家族もぜひ活用してほしいと思います。

すい臓がんの「痛み」に対する緩和ケア

すい臓がんに限らず、がんは末期になると「がん性疼痛」というつらい痛みが出て、患者さんを苦しめるようになります。

がん性疼痛とは、腫瘍が広がってさまざまな組織を圧迫したり、ダメージを与えたりすることで生じる痛みのことで、がん患者さんのおよそ7割が経験するともいわれます。

つらい痛みがあると、それだけで精神的に落ち込んでしまい、治療に対しても前向きに臨めなくなってしまうものです。ですから痛みに対しては、適切に鎮痛薬を使って和らげることが大切です。

がんの緩和ケアに使われる痛み止めはさまざまで、アスピリンやイブプロフェン、アセトアミノフェンなどの、市販薬にも使われるような比較的軽い薬もありますし、モルヒネをはじめとする「オピオイド(医療用麻薬)」のような強い薬もあります。

痛みの段階に応じて最適な薬を選びますので、効果はとても高く、80〜90パーセントの患者さんの痛みが取り除かれるといわれています。

また鎮痛薬のほか、痛みの原因になっている神経を薬で麻痺させる「神経ブロック」という治療を行なう場合もありますし、「放射線療法」も痛み止めとして活用することがあります。

特に骨転移した場合は、放射線を照射することで痛みを抑えられる場合があるため、放射線療法がよく選択されます。

すい臓がんの「腹水」に対する緩和ケア

すい臓がんが進行すると、臓器を覆う「腹膜」という薄い膜にがん細胞がちらばり、「がん性腹膜炎」になることがあります。

こうなると、お腹に「腹水」という水が溜まるようになり、腹痛や腹部膨満感などが起こりますので、その場合は利尿剤の内服や点滴などを行なって、腹水をコントロールする必要があります。

また大量に腹水が溜まった場合は、お腹に針を刺して腹水を抜く処置が必要です。あまりに何度も繰り返す場合は、チューブをお腹の中に入れて、定期的に腹水を抜くこともあります。

いずれにせよ、腹水には体に必要な栄養分も含まれていますので、溜まったからといって一気に抜いてしまうのは危険です。医師の指示に従い、少しずつ抜いていく必要があります。

すい臓がんの「消化器症状」に対する緩和ケア

すい臓がんのような腹部臓器の病気の場合、進行して末期になると、さまざまな消化器症状が出てきます。たとえば食欲不振や、食後の吐き気・嘔吐、おならが出にくいなどの「腸閉塞」の症状が代表的です。

腸が完全に閉塞していない場合は、吐き気止めや、点滴による栄養補給などで様子を見ることもできます。

ただし腸液が充満するなどして、腸が完全に閉塞している場合は、鼻から管を入れて腸液を取り除かなければいけないこともあります。

すい臓がんの「精神的苦痛」に対する緩和ケア

がんの治療を行なう「がん診療連携拠点病院」には、緩和ケアチームが編成されています。

医師や看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなどのさまざまな専門家でチームが構成されており、それぞれの専門家がさまざまな緩和ケアを行なってくれるのですが、その中に心理士さんなどの心のケアを専門とする人もいます。

がんが見つかった時、せっかく手術したのに再発や転移が分かった時、余命を宣告された時…がんの闘病中には、精神的に深く落ち込む出来事がたくさん起こってきます。

特にすい臓がんのように死亡率の高いがんであれば、なおさらでしょう。

そのような精神的なショックを少しでも緩和し、患者さんが自分らしく過ごすことができるようにするための医療も、大切な緩和ケアの1つです。

専門の知識を身につけた心理士や看護師によるカウンセリングや、必要に応じた薬物の処方(抗不安薬や抗うつ薬など)を行ない、患者さんの苦痛を和らげます。

最近では、スピリチュアルなことも含めたカウンセリングを取り入れる医療機関も増えているようです。

このような緩和ケアは、がんの宣告を受けた患者さんや、その家族であれば、基本的に誰でも受けることができます。

病気のことだけではなく、治療中の費用や仕事のこと、子育てのことなど、どのような悩みにも幅広く対応してもらえますので、緩和ケアを受けたい方は担当医か、「がん診療連携拠点病院」の相談支援センターなどに相談してみてください。

すい臓がん治療は数百万円かかることも

すい臓がんは先進医療に指定されている重粒子線治療や陽子線治療などの適用があり、1回300万円以上しますので特にがん保険の必要性が高いがんです。

がん保険はがんになってからでは加入できませんので治療費が心配な方は、がんになる前に一度資料請求をして検討してみるとよいでしょう。

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