すい臓にできる良性腫瘍と悪性腫瘍

すい臓に腫瘍が見つかると、多くの人が「すい臓がんだ!」と心配になると思いますが、中には良性のものもあります。

良性腫瘍は増殖が比較的ゆるやかで、悪性腫瘍のように転移することはないため、基本的には命をおびやかすものではありません。

ただしすい臓の場合、良性腫瘍から悪性腫瘍へと変化するタイプもあるため注意が必要です。そのためすい臓に腫瘍が見つかったら、良性であっても手術をするケースが多くみられます。

すい臓の良性腫瘍は、大きく「内分泌腫瘍」と「外分泌腫瘍」に分かれます。それぞれかかりやすい人や、腫瘍の性質などが異なりますので、詳しく解説していきましょう。

すい臓の良性腫瘍〜「膵神経内分泌腫瘍(IPMN)」

すい臓の重要な働きに、インスリンやグルカゴンなどの血糖値を調節するホルモンの分泌があります。そのホルモンを産生する細胞(膵島細胞)に発生する腫瘍が、「膵神経内分泌腫瘍」です。

すい臓には、ホルモンを産生する細胞群があちこちに島のような形で存在しているため、発見者の名前をとって「ランゲルハンス島」とも呼ばれます。

ここにできる腫瘍には、良性のものと悪性のものがあり、また良性のものでもホルモンの分泌機能に影響を与えるものとそうでないものがあります。

機能性腫瘍

膵神経内分泌腫瘍の中でも、ホルモン分泌に影響が出るものを「機能性腫瘍」といいます。膵神経内分泌腫瘍の多くは、機能性腫瘍です。良性のものが多いですが、およそ1〜2割は悪性とされています。

また、どのホルモンを産生する細胞に発生したかによって「ガストリノーマ」「インスリノーマ」「グルカゴノーマ」などの種類に分かれます。

このうち「ガストリノーマ」と「グルカゴノーマ」は悪性腫瘍が多いのですが、「インスリノーマ」は一般的に良性です。増殖が遅く、転移することはほとんどありません。

また、過剰分泌されるホルモンの種類によってさまざまな症状が出てきます。

たとえば「ガストリノーマ」なら胃潰瘍の繰り返しや腹痛、下痢など、「インスリノーマ」なら低血糖状態や発汗など、「グルカゴノーマ」なら発疹や高血糖などの症状です。

非機能性腫瘍

膵神経内分泌腫瘍の中でも、ホルモン分泌に異常がみられないタイプです。全体から見ると数は少ないですが、非機能性腫瘍は約半分が悪性といわれています。

またホルモンの分泌に異常がないだけに、無症状のままゆっくりと増殖することもあるため注意が必要です。

このような膵神経内分泌腫瘍は、次にご紹介する「外分泌腫瘍(膵管に発生する腫瘍)」に比べると全体的に予後は良く、手術で完治できる可能性が高いとされています。

ただし良性腫瘍と悪性腫瘍の区別が難しく、実際に手術で腫瘍を取り出して生検を行なっても判断に困るケースもあるといわれます。

いずれにせよ、良性腫瘍であってもしっかりと早期発見をして手術で取り除くことが大切になりますので、いつもとは違う症状が現れた場合は早めに受診するようにしましょう。

すい臓の良性腫瘍〜「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)」

ホルモンの分泌のほか、すい臓には「膵液の分泌」という重要な役割があります。膵液は消化液の一つで、「膵管」という管を通して十二指腸へと運ばれています。

その膵管内に発生する良性腫瘍の一つが、「膵管内乳頭粘液性腫瘍」です。中に粘液の入った腫瘍が、乳頭状(小さなキノコのような形状)に増殖するもので、外分泌腫瘍の中でももっとも多いタイプになります。

年齢とともにリスクが上がり、女性より男性に多いのが特徴です。

膵管内乳頭粘液性腫瘍は、最初は良性であってもしだいに悪性化することがあります。ですから発見された時には、まず良性〜悪性のどの段階であるかの見極めが必要です。

いわばすい臓がんの「前がん病変」ともいえますので、予後の悪いすい臓がんを早期発見するためにも、非常に重要な腫瘍と考えられています。

近年は画像検査の技術の進歩によって、他の病気の検査時や人間ドックなどで、偶然に発見されるケースが増えています。

その他のすい臓の良性腫瘍

すい臓にできる良性腫瘍の多くが、上記に挙げたようなものですが、他にも以下のような腫瘍があります。

粘液性嚢胞腫瘍(MCN)

IPMNに次いで多い粘液性の腫瘍で、すい臓の中でも「膵尾部」というところに好発します。またIPMNと違って、中年女性に多く、実に98%以上を女性が占めるともいわれています。

IPMNよりも悪性度が高いため、発見しだい切除が必要です。

漿液性嚢胞性腫瘍(SCN)

中に粘液ではなく漿液(さらさらした透明の液体)を含んだ腫瘍で、基本的には良性です。4センチを超えると悪性化しやすいといわれますが、そうでない場合は経過観察をします。

ただし他の腫瘍と区別がつきにくい場合があり、その場合は切除が必要です。

充実性偽乳頭腫瘍(SPN)

すい臓の腫瘍の中でも非常に珍しいタイプとして知られるもので、20〜30代の若い女性に好発します。悪性度は高くありませんが、1割程度の悪性例もあるため、診断されたら手術を行なうことが一般的です。

このように、すい臓にできる腫瘍には良性のものも悪性のものもありますが、すい臓の場合は「最初は良性でも、やがて悪性化するものが多い」点に注意が必要です。

ですから基本的には、すい臓の腫瘍にはすべて注意を払う必要があります。

症状がほとんど出ない腫瘍もありますので、40歳を過ぎたあたりから年に1回、人間ドックで腹部エコー検査などの画像検査を受けることをおすすめします。

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