すい臓がんの現状

最近、ニュースを見ていると「すい臓がん」で亡くなる有名人が多いなあ、と感じている方もいると思います。

近年では、アップル社のCEOスティーブ・ジョブス氏や、歌舞伎役者の坂東三津五郎さん(十代目)、2016年に入ってからはジャーナリストの竹田圭吾さんがこの病で亡くなったことが大きな話題となりました。

すい臓がんは、がん全体の中では罹患者数はそれほど多くないものの、死亡率が非常に高いことで知られるがんです。

毎年、罹患する人数と死亡する人数がほぼ同じぐらいの数字で推移しており、その悪性度の高さから「がんの王様」とも呼ばれています。

罹患者数や死亡者数、かかりやすい年齢などを含め、現在の日本におけるすい臓がんの現状について解説していきます。

すい臓がんってどんな病気?

すい臓がんは、すい臓にできる悪性腫瘍です。

すい臓は胃の後ろ側にある、長さ約20センチの小さな臓器で、「頭部」「体部」「尾部」という3つの部位に分けられます。

すい臓の主な役割は、「膵液という消化液の分泌(外分泌)」と、「血糖値をコントロールするホルモンの分泌(内分泌)」です。

外分泌では、「膵管」という管を通して膵液を運び、食べ物の集まる十二指腸へと送り届けます。

一方、内分泌では血糖値を下げるインスリンや、逆に血糖値を上げるグルカゴンなどのホルモンを産生し、血中の糖分が一定の割合で保たれるように調節しています。

すい臓がんが発生するのは、主に膵管の上皮細胞です。「浸潤性膵管がん」と呼び、すい臓がんの90%以上がこれにあたります。

また「膵神経内分泌腫瘍」や「腺房細胞がん」など、他の部位に発生するすい臓がんもあります。

すい臓がんの罹患者数は、年間約38,000人

すい臓がんは、がん全体の中ではそれほど罹患者数は多くありません。国立がん研究センターが発表した2015年のがんの統計予測を見てみましょう。

男女計
部位 罹患者数
大腸 135,800
133,500
133,000
前立腺 98,400
乳房(女性) 89,400
肝臓 47,300
すい臓 38,700
子宮 30,000
悪性リンパ腫 29,700
腎・尿路 28,700
男性
部位 罹患者数
前立腺 98,400
90,800
90,700
大腸 77,900
肝臓 30,700
食道 20,500
腎・尿路 19,900
すい臓 19,400
悪性リンパ腫 16,400
膀胱 16,300
女性
部位 罹患者数
乳房 89,400
大腸 57,900
42,800
42,200
子宮 30,000
すい臓 19,300
肝臓 16,600
悪性リンパ腫 13,300
甲状腺 13,200
皮膚 12,800

※「国立がん研究センター 2015年の部位別予測罹患数」参照

このように、すい臓がんは日本人のがんの中では全体で7位となっています。順位としては女性のほうが上に来ていますが、罹患者数は男女とも同じぐらいです。

次に、すい臓がんの年齢別の罹患者数を見てみましょう。

すい臓がんの年齢別の罹患者数

※国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より

表を見ても分かるように、すい臓がんは高齢者層に多いがんです。40代から少しずつ増え始め、発症のピークは70代となっています。そのため高齢化が進む近年の日本では、すい臓がんの罹患者数は増加傾向にあります。

すい臓がんの死亡者数〜「がんの王様」と呼ばれる理由

次に、すい臓がんの死亡者数を見てみましょう。以下は、2015年の統計予測です。

男女計
部位 死亡者数
77,200
大腸 50,600
49,400
すい臓 32,800
肝臓 28,900
胆のう・胆管 19,200
乳房(女性) 13,800
前立腺 12,200
食道 11,400
悪性リンパ腫 11,300
男性
部位 死亡者数
55,300
32,400
大腸 27,200
肝臓 18,900
すい臓 16,600
前立腺 12,200
食道 9,500
胆のう・胆管 9,500
悪性リンパ腫 6,300
腎・尿路 5,900
女性
部位 死亡者数
大腸 23,400
21,900
17,000
すい臓 16,200
乳房 13,800
肝臓 10,000
胆のう・胆管 9,700
子宮 6,300
悪性リンパ腫 5,000
卵巣 4,800

※「国立がん研究センター 2015年の部位別予測死亡数」参照

表からも分かるように、すい臓がんの死亡者数は、がん全体の中でも多いほうだといえます。

特に注目すべきは、「年間の罹患者数と大きな差がない」という点です。つまりすい臓がんにかかった人の大半が命を落としている、ということになります。

日進月歩で医学は進歩していますが、死亡率の高さを見ても、すい臓がんの治療成績はまだ大きく向上しているとはいえません。すい臓がんの死亡率がこれほど高いのは、主に以下のような理由からです。

初期症状がほとんどない

どのがんでも初期症状は少ないものですが、特にすい臓は体の奥深くにある臓器のため、症状が出にくい「沈黙の臓器」の一つに数えられます。

周りに広がりやすい

すい臓は長さ20センチほどの小さな臓器ですので、早い段階からすい臓をはみ出し、周りに浸潤してしまいます。

手術が難しい

すい臓は胃や肝臓などの主要な臓器に近い上、血管や胆管などの重要な管も多く通っていますので、よほど病巣が限局的でないと、手術で確実に取り除くことは困難です。

また手術ができても、目に見えない小さながん細胞を取り残してしまう可能性があるため、再発リスクの高いがんでもあります。

すい臓がんはがんの中でもきわめて早期発見しにくく、治療の難しい厄介ながんです。そのため5年生存率も低く、T期であっても約40%という数字となっています。

このように、すい臓がんの予後は良くないのが現状ではありますが、それだけに世界中の研究者がこの病気を克服するための新しい治療法や検査法、また効果的な薬などを開発しています。

今後の治療成績の向上に期待したいところです。

すい臓がん治療は数百万円かかることも

すい臓がんは先進医療に指定されている重粒子線治療や陽子線治療などの適用があり、1回300万円以上しますので特にがん保険の必要性が高いがんです。

がん保険はがんになってからでは加入できませんので治療費が心配な方は、がんになる前に一度資料請求をして検討してみるとよいでしょう。

FPが選ぶおすすめがん保険人気ランキングの1位と2位

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ページの一番上へ
サイトのTOPページへ